早く起きた土曜の朝は。

『…行ってくる。』

 

聞き取れるか取れないか

 

わたしに伝えるつもりもないような小さな声で、

 

そう言って彼は去って行った。

 

 

薄紅色の灯りの下の閉じられし小さな空間で

 

彼の闘いはいつも長くなる。

 

そう、

 

赤と白の小さな球を

 

この世のものとは思えない異形の生物たちに投げつけては

 

捉えた異形たちを手なづけ己の手足とし、

 

炎や氷、果ては劇薬やシックスセンスの力を使い、

 

同じ旗を掲げた仲間たちと共に

 

違う旗を掲げる者たちと居場所や財産を奪い合う

 

そんな闘いと共に。

 

 

わたしは願う。

 

一刻も早く終わらせ欲しい

 

こんな無意味な闘いを。

 

わたしのお腹には

 

いや

 

わたしのお腹のもう少し下、

 

さらに後ろの方には

 

生み落とさなければならないものが存在しているから。

 

そのものが

 

わたしのお腹のもう少し下のさらに後ろの方を

 

勢いよくノックし続けているから。

 

 

ああどうか…

 

 

はや…く…

 

 

 

 

 

 

 

意訳:ポケ◯ンGO!やりながらトイレに居座る夫に殺意を抱く妻。

 

 

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